バブルの崩壊から四半世紀が過ぎようとしています。昭和の終わり頃から平成のはじめ頃までは景気と合わせたかのような大きなご葬儀が主流でした。しかし、失われた20年が経過していくとともにご葬儀はだんだんと縮小していき、近年では親族のみで済ませる家族葬や火葬のみで済ませるケースも多くなっています。葬儀社の方もご葬儀の規模や会葬者の人数に合わせた各プランを用意するようになり、現在ではほとんどの葬儀社で次のようなプランを用意しています。またご葬儀の費用は私営ではなく、公営の斎場を利用すれば抑えることができます。横浜市戸塚区では鳥が丘にある戸塚斎場が市営です。
火葬のみのご葬儀で、「直葬」と言われることもあります。
お通夜も告別式も行わないシンプルなお葬式です。
ご家族を中心にご親族でご葬儀を行います。従来通りにお通夜、告別式を行います。ゆっくりと故人様をお見送りできますので、人気のプランです。
ご家族、ご親族に加え、ご親交の深かった方々にご会葬いただくプランです。ご親族だけじゃなくお世話になった方々にもご会葬いただきたいという方に選ばれています。
ご家族、ご親族に加え、お付き合いのあった方々にご会葬いただくプランです。規模としては従来のお葬式くらいになります。
どのプランを選ぶかはもちろん、故人様の遺志やご遺族様の意志が優先されます。故人様もご葬儀でお金を使うよりは残されたご遺族のためにお金を使ってほしいと思うでしょう。ほとんどの場合、ご家族ではご葬儀の内容の意志が統一されています。しかし、故人の社会的地位や交友関係の広さ、宗教・宗派や地域のしきたりの違いから小さな葬儀にしてしまうと親族や周りの人に「その葬儀では故人に相応しくない」と反対されることも多いのです。ここで火葬儀や家族葬、人数少なめの一般葬で実際にあった良かったという声と失敗だった・後悔したという声を挙げておきます。
火葬儀(直葬)を選んだA様
妻の闘病生活でお金を使い果たしてしまい、経済的に困窮してしまった。本当は手厚く見送りたかったけど、火葬のみのプランしか選べなかった。そのことを葬儀社の方に伝えると『今はこれでお見送りしましょう。余裕ができたら、その時、厚く法要してあげれば故人様もお喜びになられると思いますよ』と言われ、肩の荷がおりました。
火葬儀(直葬)を選んだK様
「父は亡くなる前から、『焼いて墓に入れてくれるだけでいい』と周りにも公言していた。終わってしまった後にあっけなく感じたが、ござっぱりした父の性格にあっているような気もした。」
家族葬を選んだI様
「夫が亡くなった直後は気が動転していて正直、喪主などできないと思っていました。葬儀社の方が心のこもったサービスで無事、葬儀を終えることができました。その後、我が家に弔問に訪れる客も増え、慌しくなりました。もし、一般葬を選び、夫が亡くなった直後に気が動転した状態で弔問客への対応しなければならなかったと思うとぞっとします。」
家族葬を選んだE様
「まさか妹が急に亡くなってしまうとは思いませんでした。両親とも高齢のため、私が実質的に喪主を勤めたのですが、家族葬でちょうど良かったと思います。一般葬の場合、会葬者が多くなるため、高齢の両親の負担となってしまう可能性がありました。」
一般葬Light(人数少な目)を選んだU様
家族葬か人数少なめの一般葬か迷いましたが、一般葬にしました。結果として夫が大変お世話になった方にしっかりとご挨拶ができたのでよかったと思います。
火葬儀(直葬)を選んだW様
「母が葬儀にお金をかけたくないということで直葬を選びました。母の兄弟である叔父、叔母から『お葬式無しで可哀想』、『お葬式もしないで親不孝者』と言われました。生前に何回も母の意志は確認していたのですが、もしかしたら遠慮していただけではないのかと迷うこともあります。」
火葬儀(直葬)を選んだF様
「父の遺言とおりにできるだけお金をかけない火葬儀にしました。父の兄である叔父から『おまえの父の遺志は理解している。しかし、おまえの父は顔が広いから後が大変だぞ』と言われました。その時はあまり理解できなかったのですが、その後、我が家に弔問に訪れる客が増え、慌しくなりました。」
家族葬を選んだM様
父の遺志通りに現在住んでいるところで家族葬を行ったら父の兄である叔父から『代々、世話になっている寺に申し訳が立たない』と怒られました。結局、その寺で再度、お葬式をすることになり、費用もかなりかかりました。
家族葬を選んだE様
私にはよく分からないのですが、父は生前、本家・分家といったしがらみが嫌で上京して来たと語っていました。そんな流れもあって自然に家族葬を行ったのですが、葬儀後、付き合いが無いばかりか話したこともない親戚とおっしゃる方からすごい剣幕の電話がありました。何でもその親族では代々の寺と墓があり、地方(親族?)のルールに則って葬祭を行わなくてはならないそうです。父は結婚の時もそのルールに従わず、不義理をしたそうでいろいろと言われました。父の実家はお金持ちでもないし、立派な家柄でもありません。なぜ、そんな制度があるのか不思議です
一般葬Light(人数少な目)を選んだS様
事前に親族とごく親しい人だけで葬儀を行うと告げておいたのですが、思いの他、最後のお別れをしたいという方が多くて困りました。結局、葬儀後、お別れ会を開くことになり、精神的にも肉体的にも疲れました。また、故人が大変可愛がっていた犬もさびしくなったのか急に亡くなってしまいました。こちらは犬の親兄弟が眠っているお墓のある市原市でペット葬儀を行いました。全てが終わった後は何も考えられませんでした。
火葬儀や家族葬といった小規模な葬儀プランを選び、失敗だったという声を見てみると大きく2つに分けられるのことが分かります。
ご葬儀後、多数の弔問客が訪れ、大変だったケースと親族・親類の理解が得られなかったケースです。
関係者に礼状を送り、家族葬の様子を伝えましょう
遺志により弔問、並びにご香典等はご辞退すること」を明記してください。礼状には故人の遺志を尊重していただくことが何よりの供養だということ、勝手なお願いであるがそれを許してほしい旨を喪主からのお礼とともに書き記してください。礼状を受け取ったほとんどの方がご納得され、故人様の冥福を祈ってくれるはずです。
故人様の生前の希望があれば、揉めることは少ないと思われます。
そういった希望が残されていなかった場合は事前によく話し合いましょう。ご親族同士でお互いの主張をぶつけあうのではなく、皆様で故人に相応しいお見送りのカタチを提案してするよう話し合いにしてみてはいかがでしょうか。良い意見が出てまとまりやすいと思います。生前の希望がない場合は故人の社会的地位や交友関係の広さに相応しい葬儀にすることをお薦めします。
ご家族の中で成人している方には突然の不幸に備えてエンディングノートを持つように話し合ってみてはいかがでしょうか。縁起が悪いと嫌がる方もいるかもしれませんが、自分の死を見つめることは大変有意義なことです。 SNSをご利用している方は自分が投稿したコンテンツを死後、どのようにしてほしいのかを充分に考えておく必要があります。ご家族による申請や一定期間内にログインがない場合、コンテンツを削除してくれるサービスもありますので、活用を考えてみてはいかがでしょうか。
現在、趣味にしていることや大事にしていることをお別れの際に組み込んでくれたら、嬉しいですよね。たとえば、料理が好きでおいしいおつまみをつくり、家族や友人達とお酒を飲むようなパーティーが好きな人だったら、ご葬儀の時もそれを再現すれば思い出に包まれた大変素敵な故人を偲ぶ会になるのではないでしょうか。